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5月 八王子市

ギンリョウソウ    銀竜草 イチヤクソウ科

晩春の林下に佇む白銀の竜。

その幽玄な姿ゆえにユウレイタケの別名を持つが、
キノコではなくれっきとした植物である。

いや「れっきとした」には疑問符がつくかもしれない。
ギンリョウソウは一般的な植物のように
光合成で養分を得ることをしない。
したがって太陽の光を必要としないし、葉緑素も持たない。
幽霊じみた透明感があるのはこのためである。

そのかわり降り積もった落葉に繁殖する菌類と
共生関係を結び、養分を得ているのだ。

こうした生態をとる植物を腐生植物と呼ぶ。

確かに、まあ、かなりキノコに近い。


そんな生活様式の都合上、
ギンリョウソウが暮らす場所は必ず林の暗い陰になる。

昼なお暗い樹下に
白い影がぼうっと見えているさまは独特の雰囲気があり、
山歩きの写真家に好まれる被写体である。

とはいえロケーションがロケーションだけに、
思うように写すのは一筋縄では行かない。
撮影日は好天であったが、
ギンリョウソウの生えているあたりは
ISO400相当で絞りを開放(f3.8)にしても
シャッタースピード1/15秒がやっとの明るさである。
フラッシュを焚きたくなければ三脚は必需品だ。
ただし大きい必要はない。
つーか大きいとローアングル仕様でないと使えない。
私の場合、20センチほどの卓上三脚で済ませている。

なお、オートだと露出計が背景の暗さを拾ってしまうので、
マイナス0.5〜1.5程度の露出補正をかけるとベター。

もっともフラッシュを焚けば焚いたで、
この半透明の被写体がなかなか
面白い効果を演出してくれることは付記しておきたい。


威風堂々とした姿ばかりが紹介されがちな
ギンリョウソウであるが、
実物は写真から想像するより遥かに小さい。

高さはせいぜい10センチ程度。
190gのコーヒー缶を立てたくらいか。
ってたまたま目の前にあるものを物差にしてるだけだが。

図鑑等の紹介文はいかにも
暗がりで白く目立つようなことが書かれているものの、
別に光っているわけではない。
それなりに注意していないとあっさり見落としてしまう。

これらのギンリョウソウは
いずれも高尾の登山道沿いに生えていたものだが、
私が見ていた限り目を留める人はひとりもいなかった。

皆、興味がないのだと言ってしまえば
それまでなのだけど。
しくしく。

今回、生えている様子がわかるように
少し引いたアングルで周りを写し込んでみた。
意外に地味なのがお分かり頂けると思う。
これから見つけてみようという方は
参考にして頂ければ幸いである。
その際はセッコクの時同様、双眼鏡も忘れずに。


撮影からほぼ2週間を経て、東京は入梅した。

雨の雫を纏う姿もまた美しかろうと思いつつ。
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5月 八王子市

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