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8月 東村山市

ヒマワリ       向日葵      キク科


「ひまわり」という古い映画がある。
主演の二の腕逞しいソフィア・ローレンより何より
印象に残っているのは、
ヘンリー・マンシーニの音楽なのだが。

小学校に入ると1年生で必ずアサガオを撒く。
2年に進級して与えられる課題が、このヒマワリであった。

以前も記したように、オトコノコであった私は
積極的に花を好むことはなかった。
なかんずく自分の顔よりデカいヒマワリの花は、
いかにも無遠慮な感じでどうも好きになれなかった。
唯一最大の興味は種の収穫であった。
何しろ盛大に実るので作業的な満足感が大きい。

花の中央に描き出される幾何学的な模様も面白いし、
種はシマリスのご飯になる。
シマリスは大好きだったのだ。

そんな当時の私の好悪の念とは関係なく、
今も昔もヒマワリは夏の花の代名詞である。
麦藁帽子に虫捕り網を持った少年を描き、
その隣に彼の背より高い黄色い大輪の花を置けば、
誰しも夏休みの光景を思うだろう。

ヒマワリ、蝉の声、入道雲。
夏の絵日記の三点セットである。

映画の印象もあって
ヨーロッパの植物みたいな気がするが、
原産地はアメリカ大陸らしい。
インカの人々に太陽の象徴とされていたこの植物を
欧州に伝えたのは、
他ならぬコロンブスなのであった。

花の小さいヒメヒマワリをはじめ、
ここに紹介したようにさまざまな品種がある。
右中央の赤黒い花は新宿御苑で見られるので、
興味のある方は夏の間に訪れてみてはいかがだろう。

太陽の花そのものズバリの英名、
sunflowerはあまりにも有名だ。
私の実家は宮崎にあり、
東京と宮崎を結ぶ観光客船に
「さんふらわあ号」なるものが周航していた。
テレビでもCMを打っていたのでご記憶の方もあろう。

船自体は乗ったことがないし、
英語をひらがな表記するセンスが
どうにも受け付け難かったのだが、
お陰でサンフラワーという単語とその意味は覚えた。

今思えば、宮崎の旧国名である
日向に引っかけた命名だったのかもしれない。
宮崎の辺には「にちりん」という特急列車も走っており、
こっちは私も乗ったことがある。
そういえばゴレンジャーに出て来た日輪仮面も
微妙にヒマワリ的ではあった。

学名の属名Helianthus も、ギリシア語のhelios(太陽)と
anthos(花)に因む命名である。


*        *       *


先年、晩夏のヒマワリ畑に足を踏み入れたことがあった。
大人の背丈を越す大きな花々に囲まれて立っていると、
蝉の声と風にそよぐ微かな葉ずれの音だけが耳につく。
額から滲み出た汗が一筋、
頬を伝って胸元に流れていった。

派手な大輪の花の印象とは裏腹に、
そこには茫漠とした寂寥感が吹きぬけていた。

かつて映画を観た高田馬場の早稲田松竹は
その後名画座の看板を外し、
先頃閉館してしまった。

スクリーン一杯に広がったヒマワリ畑が懐かしい。

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7月 文京区

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8月 新宿区
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8月 東村山市

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