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7月 新宿区

カラスウリ       烏瓜      ウリ科


かつてトップコラムでも触れたことがあるが、
やはり夏の花のラインナップに本種を外す訳にはゆかない。

おそらく花よりも秋の実の方が有名な植物だろう。
下の写真にあるように
バーミリオンに染まった果実は非常に目立つ。
そして多くは冬枯れの季節を迎えても
薄茶色に枯れた蔓にぶら下がったままだ。
古い民家の屋根にまとわりついた赤い瓜の実は、
やはり熟柿を付けたまま葉を落とすカキの木と並ぶ、
晩秋から冬にかけての
日本の人里の風物詩である。

そんなカラスウリの花は夏に咲く。

梅雨が明けた頃、蒸し暑い熱帯夜に
そのたおやかな白いレースの網を開く。

開花は日が落ちた頃にはじまり、
8時過ぎくらいには満開になる。
従って夜に咲くとはいえ
花を愛でること自体はそんなに難しくはない。

但し撮影するとなると少々問題がある。
なんせ夜の屋外なのだ。必然的に暗い。
マニュアルのカメラでも難儀だが、
オートフォーカスではなおのこと至難の技になる。

AFが被写体にピントを合わせるのは、
基本的には人間の目と同じシステムである。
ただ、悲しいかな遥かに出来はお粗末だ。
つーか人体の構造の方が凄いのだが。
肉眼でも暗いとよく見えないぐらいだから、
AFではまるっきり話にならない。
ピントが検出できないのである。

中にはかつてのポラロイドカメラのように
超音波を発して被写体にぶつけ、
こだまが返ってくる時間から距離を算出するという
コウモリ方式のAFもあるが、
普通のデジカメのAFでは光量不足は致命的だ。
いちおう目測で距離を合わせられるモードはあるが、
被写界深度の浅くなるマクロ撮影では少々厳しい。

しまった。うっかりカメラ話になっている。

要はカラスウリの咲いているような状況では、
おいそれとデジカメが使えない、ってことである。
現に私は失敗し、そして一計を案じた。
家にとって返すと懐中電灯を持ち出したのだった。

左上は懐中電灯で花を照らして撮った一枚だ。
蒸し暑い夜にスポットに照らし出された姿は
妖しい雰囲気を纏う。
2年前の夏、近所の空地の塀に咲いていた花である。
そのまま引いてストロボを焚いたのが右上。
カラスウリの不思議な花の全貌がお判り頂けよう。

今、その場所にカラスウリの蔓はない。
巨大なビルが建っているだけだ。

元から民家や町工場があった場所である。
開発がどうだとか環境破壊がどうだとか
口はばったいことを言う気はない。

つまらない風景になったと思うだけで。

よく似た仲間にキカラスウリやモミジバカラスウリがある。
これらは花のレース飾りもう少し控えめなのと、
午前中まで咲いているので区別ができる。

キカラスウリの実はその名の通り黄色く、
朱色には熟さない。
しかしその根を乾燥させて粉にすると天花粉になる。
天瓜粉とも書くのはこのためだ。
あせもに苦しみがちな子供たちの、
夏の夜の大事な友達になるのだった。

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7月 新宿区

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11月 豊島区
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12月 文京区

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