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4月 国立市

タガラシ   田辛し    キンポウゲ科

「春ってさ、ほら、黄色い花が多いでしょ」
          
               おくやまひさし「里山図鑑」(ポプラ社)

タンポポやハルノノゲシに代表される春の黄色い花部隊で、
タガラシはさしずめ水軍の斥候といった役どころだろうか。
気がつくと田んぼや用水路などの水辺に
ひょっこりとその姿を覗かせている。
その名も田んぼに由来するものだ。

カラシの名のつく植物はけっこうあるが、
そのほとんどは香辛料のカラシとは関係ない。
単に味が辛いからそう呼ばれているだけである。

タガラシも例外ではない。
葉や茎を噛んでみると辛いらしい。

らしい、というのは
残念ながら噛んでみた経験がないからだ。

タガラシは有毒植物の総本山ともいうべき
キンポウゲの仲間である。
あの有名なトリカブトも籍を置く一族だ。
なかなか気軽に味わってみる勇気が出ない。

花びらのエナメルのような光沢も
キンポウゲ族に特有のものである。
この花は近縁のキツネノボタンや
ケキツネノボタンに非常によく似ており、
なかなか紛らわしい。

これらを見分けるのには、
実を見るのが一番手っ取り早い。
タガラシは花の中央の緑色の玉が
そのままでっかくなって結実する。
いきおい花よりも大きくなり、よく目立つ。
写真のところどころに写っている
マイクのような坊主頭がそれだ。

キツネノボタン類の実はもう少しサイズが控え目で、
イガグリなのである。


花の光沢と鮮やか過ぎるレモンイエローを、
毒々しいといって嫌う向きもある。
実際有毒植物だし。

しかし私はなぜかこの花を見ると嬉しくなる。
たぶん水辺が好きなせいもあるだろう。


谷保の城山公園に南面して
ちょっとした水田が広がっている。
田に水を引く小さなせせらぎのほとりに、
タガラシたちは元気よく背を伸ばしていた。

陽光眩しい春の川べりで、
つやつやした5枚の花弁は
水面の反射を映して照り映える。

水ぬるむ季節の到来。



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4月 国立市

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