kokuwagata0808_2.jpg (30729 バイト)
8月 東京都東大和市

コクワガタ(2)      Macrodorcas rectus
分布:日本各地


2度目の登場となるコクワ君である。
ネタが切れたわけではないが、
やはり夏休みの最後は彼に締め括ってもらいたい。

写真の個体は第1回で紹介したものとはタイプが異なる。

そもそもクワガタの仲間は個体変異が激しい。
ノコギリクワガタの大型と小型なんて、
「おいおいマジかよ」ってくらい似ても似つかない。
大型個体で釘抜きよろしく湾曲している大あごが、
小型のそれではほぼ真っ直ぐなのだ。
その代わり非常に細かいギザギザの歯がある。

ノコギリほどではないが、
コクワの個体差もなかなかなものだ。

右の写真と比較して頂きたい。
第1回登場の大アゴ中央にある突起が、
上の個体にはないことがお分かりだろうか。
長さもメス程ではないにせよやや短い。

そして何よりも全体がミニチュアサイズである。
右中は上と同じ個体。
うとうと昼寝してるところを掘り出され、
はなはだ不機嫌な様子である。
大あごをくわっと開いて怒っているのだが、
なんだかむしろ可愛らしい。

このようなちびちびコクワガタは、
子供の頃は当然のように軽んじられていた。
なんつってもでっかくて格好いいのが偉いのだ。
男の子だもん。

しかし大人になってみると、
その優しい風貌に却って心惹かれる。
目なんかくりくりしてるし。

デパートの店頭に並ばない、いちばん身近なクワガタ達は
あの頃からやっぱりこういう連中だった。
小さくても格好悪くても、
自分の手で探し捕えた喜びは忘れられない。

だから品評会クラスの立派なクワガタよりも、
より多くの記憶を宿している。

*       *       *

クヌギ林には虫に好かれる木がある。
樹液の出ている出ていないに関わらず、
色々な虫の集まる場所があるものだ。

コクワガタの居場所を教えてくれたのは、
頭の上ほどの高さに止まった
一匹のキマダラカミキリだった。
視線を落とすとコフキコガネがせっせと幹を登っている。
ここだな、と思って根元の柔らかい土を少し掘ると、
就寝中の彼に出会ったのだった。

しばらく遊んでもらった後は、
寝床に埋め戻しておいた。
彼がどんな夢の続きをみたかは知らない。

*       *       *

右は別な場所で会ったメスである。
コクワガタのメスはスジクワガタと紛らわしいが、
後者の方が鞘翅の線がくっきりしているので区別がつく。

以前も触れたように、
クワガタのあごに挟まれるのはメスの方が痛い。
心なしか風貌もオスより険しいような。
kokuwagata34_1.jpg (24566 バイト)
第1回のコクワガタ  8月 東村山市

kokuwagata0808_1.jpg (10040 バイト)
ぷんぷん
kokuwagata0807_2.jpg (23543 バイト)
コクワガタ♀ 8月 東京都東村山市

→INDEX    →TOP