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3月 東京都あきるの市

ルリシジミ  Celastrina argiolus
分布:日本全土

瑠璃色シリーズ第2弾である。

名前の通りルリ色のシジミチョウなのだが、
翅の青いシジミチョウは決してこれ一種ではない。
カタバミの花が大好きな、
あの顔なじみのヤマトシジミからして開いた翅は水色だ。
って言うか、
もっとも普通に目にするたぐいのシジミチョウは
ベニシジミを除けば殆ど翅が青い。

何をもって本種を特にルリシジミと呼び、
どうやって他種と見分けるのか。
口で説明するのはなかなか難しい。

しかし実際に見てもらえれば、
おそらく一発で理解して頂けるだろう。

私はご承知の通り昆虫好きだが「蝶屋」ではない。
日本国内だけで70種を超えるといわれるシジミチョウを、
一目で見分けるような鑑定眼は
あいにくと持ち合わせていない。

そんな私でも、
昨年河原で吸水する姿を見た瞬間に
「あ、ルリシジミ」と思った。

ポイントは翅を畳んでいる時の全身の白さである。
上の写真は半逆光なので判りづらいが、
右下の一枚を見て頂きたい。
何かこう全面フラットな独特のホワイトなのだ。
これがヤマトシジミの場合、
もう少し柔らかいグレーの色合いを帯びている。

私の気配に驚いて、
真っ白な蝶はさっと飛び立った。
瞬間、開いた翅の鮮やかなスカイブルーが
ぱあっと目に飛び込んで来る。

一応色味がわかるように
右中にピンボケの写真を示したが、
実物はもっと息を呑むような美しさがある。

この見事なコントラストが、
おそらくルリシジミをルリシジミたらしめているに違いない。


図鑑等には必ず普通種と但し書きがあるものの、
個人的には見る機会は決して多くない。
今まで出会った場所はいずれも郊外だ。
ヤマトやベニ、ウラナミあたりなら
都区内でも普通に見かけるのに。

ただ、翅の色には食草や環境で結構差があると聞く。
ことによると、都市部のルリシジミは
それと判らないくすんだ色合いなのかもしれない。


余談だが、先日山里を散策していて
またルリタテハに会った。

彼はしばらく私の周りを飛び回っていたが、
何を思ったかつうと腕に止まってしまった。
暑い日だったので、
Tシャツの袖をまくって歩いていたのである。
たぶん汗の匂いに惹かれてやってきたのだろう。
カメラを取り出そうとしたら
ぷいっと飛び立ってどこかへ行ってしまった。

このページでも記したように、
ルリタテハは人見知りをする蝶である。
そんな相手に懐かれた嬉しさに、
しばらくその場に立ち尽くしていた。


4月も半ばを過ぎた。
いよいよ虫たちの季節の本番である。


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3月 東京都あきるの市
rurishijimi0528_2.jpg (30349 バイト) 5月 東京都あきるの市

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