彼らは年をとらない |
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空からの声は遥か 遠い祈り呟く 影の消えた幻を 空中に漂わせ 遺された者はいつか 残照にかたちを変え さしのべた手を震わせて 救いを待ちつづける 気流の音色に包まれて 光を浴びて上ってゆけるのか 空を突き抜けて 消えた奴の声が ひどく嬉しげに 俺を呼ぶのだが 地上の時間を 置き去りにしたまま 遠い人影は いつまでも年をとらない 冷蔵庫にまた鍵をかけて 俺は怠惰な眠りに戻りたい 下りてくる霧に 言葉を失くしつづけて 目の前の夢は 闇に溶けてゆくが 此所には微かな 幸福があるから 俺はまだ今は やつらの処へ行けない 1991年頃の曲。タイトルはロアルド・ダールの短編から。 ←戻る |
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