MINOLTA 8700i+AF 85mm/1.4G MINOLTA α8700i
ミノルタの鬼っ子

ミノルタというメーカーは、
レンズ部門とカメラ部門が完全に分離している。

ミノルタのレンズ設計チームというのは、
これはもうびっくりするほど凝り性で、
時々信じられないスペックのレンズを
大真面目にリリースしてしまう。
生産コストも半分度外視しているらしく、
なんだか法外な値段だったりして
誰が買うねんこんなもんという気分になることが、
まま、ある。

しかし、幸いにしてミノルタは
ニコンやキヤノンに比べて人気薄のブランドだ。
そのために中古市場ではかなり値崩れが激しく、
私のような者もちまちまと揃えることができるのだが、
さて。
そんな職人芸ともいえるレンズに、
見合うだけのカメラボディがないというのが
ミノルタユーザーの悩みの種ではあったのだ。

レンズの項で述べたように、
カメラというのはレンズの性能を
100%引き出すのが仕事である。
レンズにカメラが負けているのでは、お話にならない。

この8700iなんかは、そのよい証左である。
決して悪いカメラではない。
発売当時の状況を考えると、最高級機に相応しい
先進のスペックを搭載したモデルだとも言えるのだが、
いかんせん作りが実にオモチャくさい。
軽すぎる。
35mmカメラは軽い方がエライという考え方もあるが、
それは軽いレンズを装着した場合の話で。
1キロを超す望遠ズームなんぞを相手にすると、
ハッキリ言ってめちゃめちゃバランスが悪い。

ボディの安定性を保つ為に、
上級機というのはある程度の重さが必要なのである。

どこかの趣味人が「ニコンF4が重過ぎる、
軽くしたF4を出して欲しい」と仰言っていたが、
これは根本的な勘違いをしている。
大体軽いカメラならF4以外にいくらでもあるのだ。
F4を軽くして欲しいという、その主張自体が変だぞ赤瀬川さん。

そんな訳で、8700iの売りは先進性だった。
最上級機としての信頼性ではなく。
が、先進性なんて2年もすればカビが生える。
取材で9xiと併用すると、
そのシャッターのタイムラグに戸惑いを覚えてしまう。
アップダウンキーによる操作も決して楽だとは言えない。

発売後8年以上を経た現在、8700iの中古価格は
お話にならないほど暴落している。
だから私の手元にある訳だが。
いや私が買った時はまだもう少し高かった。
そんなことはどうでもいい。
では、何故未だにこのカメラを手放さないのか。
買取り価格が安かろうというせいではない。
先に述べたこととやや矛盾しているが、
9xiよりも軽いから、というのがその理由である。

取材の現場で9xiに重たい望遠ズームをくっつけて
動き回ってる際に、
8700iに軽めのレンズをつけて肩にかけておくのである。
さして負担にならないし、とっさの場合に
小回りが利く。
最近はサブとしてはGR1sを使うことも多いが、
用意したレンズを無駄なく使う為にも
サブカメラとして非常に役立つカメラなのである。

あとまあ、デザインが好きなのだな。
第2世代以降のAF一眼レフとしては、
抜群にシャープなフォルムをしている。
塗装がガンメタリックなのも、
ちょっとメカ好きの心をくすぐったりするのではあった。

・・・結局、ルックスの問題なのかも。
MINOLTA α8700i+AF 85mm/1.4G