![]() |
CANON EOS5 50mm専用一眼レフ 割に血迷って買ったカメラである。 |
なぜEOS1にしなかったかというと、それはとっても高いからで。 キヤノン入門機に、いきなりフラッグシップに手を出すのも ためらいがあったし、 だいいちEOS1は見てくれが好きじゃなかったのだ。 やっぱルックスなのか。 だけど結局は自分が連れ歩くものなのだから、 見てくれが気に入らないのはちと悲しい。 これは好みの問題なのだが、 EOS5の面構えというのは実に精悍である。 写真を撮る為の道具に徹した顔をしている。 これが、本機を未だに手元に置いている 一番の理由だと言ってもいい。 同時に購入したのは、28-105mmのズームであった。 単行本「さぼんどーる」の中でちょっと触れたように、 私はコイツをオールインワンカメラとして使うつもりだったのである。 だからこそ、内蔵ストロボの光量にも拘ってこれを選んだ訳で。 今でこそミノルタ807siというGN20(GN:ガイドナンバー。発光量を表す)の 大光量ストロボを内蔵したカメラが存在するが、 その当時はこのEOS5のGN13-17というのが最大であった。 光量の小さいストロボで撮った写真は、 青みがかり背景が暗く落ちる。 それが嫌で通常は外付けのストロボを使っているのだ。 どうせ内蔵モノを買うのなら、光量が大きいに越したことはない。 が、この28-105の標準ズームがクセモノであった。 28ミリ側で、かなりの歪曲収差が出るのである。 手っ取り早くいえば、真っ直ぐな筈のものが 画面周辺に行くと膨張して曲がって写ってしまうのだ。 気にしなければ大した問題ではないし、 目立たないように撮ればよいのではある。 が、一旦気にしはじめるとこれがやたらと目立つ。 これだけ書くと非常にダメなレンズのようだが、 決してそういうわけではない。 キヤノンの名誉の為に言っておくと、 レンズ性能には様々なパラメータがある。 このレンズは、歪曲収差よりも 他のパラメータの数値を上げることに重点を置いて 設計されている。そういうことなのである。 ・・・が、ここでふと気付いた。 こんなズームを使っているプロカメラマンはいないのだ。 プロ用には、キヤノンは28-70mm/2.8というゴツくて重くて、 おまけに5倍以上の値段のするレンズを用意している。 ということはつまり、正式にキヤノン党員になるには 最終的にはそれら「プロ用機材」を揃えねば 埒が明かないということだったのである。 だってそうしないとキヤノンの真骨頂を味わえないのだから。 |
|
先端に赤のラインが走っていることから、 「赤ハチマキ」と通称されるキヤノンのプロ用レンズは、 いずれも目の玉が飛び出るほど高い上に 中古になっても一向に値崩れしない。 私はキヤノン党員になるのを諦めた。 EOS5の使い勝手が、見てくれの割に イマイチだったというのもある。 背面のダイヤルにトルクがなく、 すぐに設定値が変わってしまう。 操作のレスポンスが遅い。 省電設計のためか、レリーズするごとに ファインダー内表示が消える(これは本当に困る)。 そういう細かいところが気になって、 ここでもやっぱり私は 「ああ、EOS1じゃなきゃダメなんだ」と 思ってしまったのである。 とはいえ、フィルム給送音やシャッター音の静かさ、 静かで素早いフォーカシング(ピント合わせ)等 優れた機能も多い。 そして最後に購入した安価な単焦点レンズ・ EF50mm/1.4USMは至近距離から無限遠まで、 実に素晴しくよく写るレンズだった。 今回、9xiと8700iの写真は EOS5にこのレンズを付けて撮っている。 ネット上では分かりにくいが、 非常に階調豊かな色再現をするレンズなのである。 現在、だからEOS5は50mm専用カメラになっている。 それにしてはボディが大きいが。 このレンズが使いたくて、時折私は EOS5を肩にかけて外出するのだった。 |
![]() |