OLYMPUS OM-1+ZUIKO AUTO 35mm/2 OLYMPUS OM-1
精密感とメカニカルカメラ

銀色のカメラは好きじゃない。

生来黒いものが好きだというのもあるが、
道具がピカピカに光っているのは何だか性に合わない。
いかにも大事にしてますよというか、
身についてない気がするのである。

にも拘らず、このOM-1だけは何故かブラックではなく、
クロームを買った。
余りに機械っぽい精密感に眩惑されてのことである。
中古価格がそんじょそこらのコンパクトカメラより
安かったせいもあるが。 


その精密感は、このカメラが小さいという点に拠るところが大きい。
OM-1の設計者であるオリンパスの米谷美久氏は、
ライカと同じ寸法を目指して図面を引いたという。
今を去ること二十数年前。当時としては驚異的に
ダウンサイジングされた一眼レフの誕生であった。

しかし小さいとは言っても、巻き上げレバーや
セルフタイマー等、手で扱わねばならない部分は
注意して大きく作ってある。
その辺りの配慮が、人の使う道具としての
比類なき精密感を醸し出しているのだ。
巻き上げの感触はスムーズであり、シャッターも軽く静かに落ちる。

生まれて初めて買ったカメラがXAであり、
生まれて初めて買った一眼レフがOM-10であった私にとって
オリンパスにはちょっと特別な思い入れがある。
かつての最上位機種で、こんなに作りのいいカメラが
投げ売りのような値段で流通しているのは、
やや複雑な思いがなくもない。

ただし、一言断っておくと
これはライカ同様、フルメカニカルなカメラである。
従って、ちゃんと使おうと思うと
カメラ及び露出に関する最低限の知識が必要となる。
露出計は内蔵しているが、逆光等の条件に異様に弱い。
ファインダーは広いが、ピントの山が非常に捉えにくい。
重量が軽いため、望遠レンズ装着時には手ブレに注意が必要。

これらの条件をふまえた上で使うならば、
非常に使い心地のよいカメラである。

オリンパスのダウンサイジングに対する姿勢は、
OMシステム全体に及んでいる。
そのため、交換レンズ群も他社製品より一回りは小さく軽い。
必要なセット一式を持ち歩いても、
負担にならないのが実にありがたい。

簡単な取材等に、OMのセットだけで出かけることがある。
OM-1とOM-10の2台に、レンズは35mm/2と
90mmマクロ/2の2本。
ナショナルのオートストロボと
マンフロットの卓上三脚を加えれば、
ほぼオールラウンドに使えるセットの出来上がりとなる。

真剣にカメラを使おうと思ったら、
ある程度の重い荷物は覚悟すべきではある。
しかし、場合によっては軽快さを優先したいときもあるのだ。

そんな時に嬉しい、OMシステムである。
OLYMPUS OM-1+ZUIKO AUTO-W 35mm/2